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SNSに「死にたい」と書き込む人の心理

自殺をテーマにした掲示板やチャットではなく
                 ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)、しかもTwitter
ハッシュタグ機能を使えば、同じ趣味嗜好の人とつながることができる
                                    誰もが利用しているSNS
投げかけられる二つの問い
「どうしてSNSに死にたいと書き込むのか?」
ここには二つの問いがある
なぜ「死にたい」とネットに書き込むのか その場がなぜ、SNSなのか

「死にたい」と書き込む理由は人により様々
程度の差はあれ、自殺願望を持っている人は
       その瞬間的な感情を書き込むことで自分の心境を整理している場合もある
また、書き込むことで「誰かに話を聞いてほしい」という心理が働いていることもある
自殺の話題は、現実(リアル)の人間関係では避けられる傾向があるため
               引かれないように現実では話さず、ネットに話し相手を求める
また、現実に相談相手がいたとしても
                 納得がいくやりとりがしたい場合にはネットでつながりたい
さらに言えば、「自殺の話ができるネットの知人」という位置だけにとどまらず
                          実際に会いたいと思っても不思議ではない
これまで「ネットの知人」が恋人になったり、「ネットの知人」と結婚をした人も少なくない
また、自殺をしないと決めた人もいるし
               死にたいと思いながらもなんとか生きる術を見つけた人もいる

かつて、自殺をテーマにした掲示板やチャットが話題になり事件の舞台にもなってきた
1998年12月、メンタルヘルスの相談を受けていた掲示板の管理人で
  “ドクター・キリコ”というハンドルネームの男(当時、北海道在住)が
           重篤なうつ病患者に対して、青酸カリ入りのカプセルを発送していた
メンタルヘルスの相談に乗りつつ、「死にたい」という声にも耳を傾けていた
重篤なうつ病患者の場合、話を聞くだけでは難しい
「いつでも死ねる薬があれば、今でなくてもいい。今は死なない」との思いから
                             青酸カリ入りのカプセルを送っていた
しかし、何人かが飲んでしまい死亡(それを知った男も自殺)

2005年には、自殺をテーマにした掲示板で
 「死にたい」と書き込んでいた男女3人が呼び出され
 苦しむ表情を見たいという犯人(当時、大阪府在住、死刑執行済み)の
                     欲望を満たすために利用されたという事件があった
犯人自身は快楽殺人を志向しており
             自らのホームページに犯行内容と似ている小説をアップしていた
犯行予告とも取れる内容で、その舞台に利用したのが自殺系掲示板で
             自らも集団自殺の志願者だと装い、そこに集まってきた人を殺害
(犠牲になった中には、いじめ被害者とされる男子中学生もいた)

時間を共有することが「つながっている」感覚
最近では、わざわざ検索して「自殺サイト」の掲示板やチャットを探すという手間を避け
 常的に使っているSNSに気持ちや意見を書き込み、交流するケースが目立っている

なぜ、「死にたい」という願望をTwitterに書き込むようになったのか
第一に、監視の目がゆるく、規制が比較的少ないサービスにユーザーは流れるため
自殺に特化した掲示板よりも利用者が圧倒的に多く
                              返事が期待できるメディアでもある
返信があった場合、短文のメッセージのやりとりが繰り返される
                           (それが、お互いが共有している時間)
時間の共有は、より「つながっている」感覚になっていく

悩み相談を受け付けている機関や団体は電話相談が中心
しかし、相談員が慢性的に不足している
メールやラインでの相談も受け付けているが
                  きちんとしたところほど、十分に検討してから返事をする
仮にその内容が適切だとしても、時間を共有している感覚は得られない
そのため、よりよい回答が得られても寂しさは埋められずSNSに接点を求めていく

ネットで知り合って、実際に会うことのハードルが低い時代になっていることも影響
そこに信頼感が加われば
              「ネットの知人」のアパートまでついていっても不思議ではない
「一緒に死ぬのと殺されるのは違うので
                   この事件の犠牲者は不本意だ」との意見がある一方
「結果として死ねたのだからよかったのではないか」
            「危険と知っていて行ったのだから自業自得」という声も聞かれる
「誰かと一緒に死んだとしても、寂しさは埋まらない」と言っていた人もいる
前提になっているのは、いずれも助けを必要としている存在であるという点
生きづらさを抱えていた20代女性が
「周りの軽い知り合いよりもインターネット掲示板で出会う、私のことを知らない
 “誰でもない誰か”の方が、よっぽど本音を言いあえてラクだったりすることがある」
                                           と語っていた

規制強化では救われない人も
今回のような事件が起きると、自殺系サイトの規制という話になってくる
プロバイダの自主規制という形で、犯罪や自殺を誘発する書き込みがある場合は
         削除したり、管理が行き届いていない掲示板は閉鎖することが増えた
現在も自殺をテーマにした掲示板はあるが
                      より具体的な書き込みは削除される方針にある

こうした事件を防ぐにはどうすればいいのか
インターネット上で自殺の話題ができなくするという規制強化も一案だが
  SNSで自殺の話をしたからこそ、最終的に自殺を思いとどまった人は救われない
規制強化によって精神的な居場所を奪われ、より死にたくなってもおかしくはない
外部からは見られないDM(ダイレクト・メッセージ)を監視するのも一つの対策だが
             完全に「ふさいで」しまうと、救われない人も出てくることになる
現在、ユーザー数の多いTwitterではDMを監視していないが
 自殺をほのめかすようなメッセージに関しては、機械的に削除するというよりは
  注意喚起や専門家につなぐ方法を地道に繰り返していくしかないのかもしれない

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共通テーマ:日記・雑感

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adgger
もう何ヶ月「なし状態」?潰れたか・・・(-"-;)

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